逆転のシロオビコダマウサギ
★寄生貝ではないウミウサギガイ科 ★ 今まで、ウミウサギの仲間は寄生貝と言われていましたが、こいつらの半数近くは、相利共生と断言できます。半数とは大げさかもしれませんが、シロオビコダマウサギとシロオビキヌヅツミなどは、わざと宿主のトサカやヤギの枝やポリプを切り落とし、そこに、トサカやヤギの群落を作り、自分の生活範囲とトサカやヤギの生活範囲を拡大する、習性をもった個体があらわれます。水槽内実験では、シロオビコダマは、初めは、枝を切り落すやっかいものだと思っていましたが、その切り落とされた枝やポリプは水槽底面のガラスにはりつき、どんどん増えて行きます。
★トサカの枝を切り落とすシロオビコダマ★ さて、このシロオビコダマウサギ、初めは見ていると、トゲのない所にばかりいましたが、飼育していたうちの一匹が、枝の根元を切り落しはじめました。飼育していたのは4匹でそのうちの1匹が突然枝を切り落すのです。「うわー、これはひどい事するやつ」と思って見てました。そのうちに、一週間で、丸坊主にトサカはなってしまいました。いくら寄生貝でも、自分の宿主をほろぼしてしまうのは、自殺行為です。このトサカには、テンロクも寄生していましたが、テンロクは、いい迷惑。それに、切り落された枝は水質を悪化させ、こりゃ迷惑なトサカキラーだと思っていました。
★トサカの繁殖★ 初めのうちは、シロオビコダマに切り落された、枝をひろって水がよごれないようにしていましたが、めんどくさいし、ほったらかしにしていると、ある日、この小さいトサカが、水底から生えているのを発見、狙わずにして、トサカの自然繁殖の成功になった訳です。(うちに来る、貝マニアさんは、この水槽郡を第7○ティアンと呼ぶほどの特殊な濾過能力がある水槽で、サザエがまるごと一匹死んでも水質が安定している事と、見た目が、鑑賞用でないために、パイプラインやラジエータがむき出しになっている事から、見た目からそう呼ばれるようになりました。以後この水槽郡を第7水槽と呼んでいます。)
★第7水槽郡★写真がその第7水槽郡で、真ん中下にあるのが、トサカ、ヤギが自然繁殖できるメイン45センチ水槽。今までの解説を読んでいても、残念ながら、この水槽郡の性能はわからないかもしれませんので、すごく簡単に説明します。この水槽の製作目的は、ウミウサギ類の飼育で、そのためには、トサカの飼育が不可欠だった訳で、こんな物になっちゃった訳です。トゲトサカは、通常の水族館レベルの水槽での長期飼育はもちろん、繁殖などは不可能と言われていて、ソフトコーラルマニアの間でも、入れたトサカの状態を維持するのが、ほとんど不可能と言われていました。簡単に言うとサンゴ飼育より難しいと言う訳です。
第7水槽のスペック
水槽郡形式 オバーフロー
濾過系統 外部濾過装置 一時間に600リットル+水作8+逆噴射底面フィルター
濾材 ★外部濾過槽内、バイオボール、ウールマット、リング形状陶器、スポンジ、
★底面フィルター用、砂岩以外の自然石40パーセント、リング状陶器50パーセント、サンゴ砂10パーセント、
★水作8、純正ウールマット(その他 活性炭を水質不安定時に入れる)
濾過方式
(飼育形式)
生物リング方式(生物リンク方式は、この水槽の場合は、トゲトサカをウミウサギが食べて、ウミウサギの糞や、トサカの老廃物をバクテリアに分解させ、分解した有機物質を肥料に植物性プランクトンと水槽壁面の緑藻の栄養にさせ、それを他の貝(サザエ)に食べさせ、さらにそのサザエを僕が回収して食べる。また、サザエのかわりにオミナエシダカラを使うと、オミナエシが自然死した場合は、バクテリア分解後に、有機物か、プランクトンになり、トゲトサカの肥料になる。簡単に言うと、餌をあげなくても、永久に循環をくりかえす事になる。正、外部濾過槽のポンプが、スクリューでくみあげているために、ウミウサギの幼生やオミナエシの幼生がスクリューに巻き込まれ死亡するために、完全な永久機関ではない。)
★さらに増え続けるトサカ★現在の時点では、写真のように水底ガラス面からにょきにょきとトサカが生えてきている。うまく管理すれば、トサカの林になるかもしれない。ただ問題も多くかかえているのも事実で、このトサカ達は、今までの観察によると、飼育環境によって持つ、光をこのむ物から、光をこのまないものもあり、トサカの毒もまた個性が各個体にある。形態も同じ株から分離されても、飼育環境によって別の生態を持つために、突如このトサカにシロオビをつけると毒にやられたりする例もある。いずれにせよ、特殊抗体を持つ小さいテンロクケボリなどは、あまり株をえらばないで、この林の住人になれたりする。
★トサカに産みつけられたシロオビコダマの卵袋★