最北限のタカラガイの最後  

宝貝の北限は千葉県ですが、この北限の宝貝は、冬がくると水温(14度)の低下で、吸着力がにぶり、海が荒れると、岩からはがされて、あわれ潮溜りや、海岸、海底の谷間にと、投げ出され砂の上で彷徨することとなる。さらに弱った所で、イボニシや、ヒメヨウラク、ゴカイなどにおそわれます。また、そのような物におそわれなくても、疲労と飢えで死んでいきます。

海が荒れて、砂といっしょに生き埋めになった、初雪宝。ちょうど砂の中から這い出した、珍しい写真。中には生き埋めで、死んでしまう物もいるかもしれません。

潮溜りでイボニシに襲われる、初雪宝。うちあげられたのは、2日前、砂の上を彷徨して弱った所を襲われたらしい。

よく見るとヒメヨウラクらしいやつが、一匹まじっている。写真を撮りやすくするために、数匹イボニシをはがしました。全部で7匹取り付いていました。

もともと南方種の宝貝は、最北限のために、種類別に、集団で弱って落ちる。そのため、同一種がまとめて、一週間くらいの間にうちあげられたりする。これには、個々の持つ特性や大きさ、住む場所などによって左右されていているらしい。屋久島宝→黄色宝、花びら宝→アヤメ宝→初雪宝→星きぬた→目宝→茶色きぬた などの順番に打ち上げられる。また急に、水温が落ちると、種別の打ち上がる間かくがハッキリしなくなる。また外気温だけ落ちると、潮間帯域の種類が、ほかの種類を追いこしておちたりする。

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